近年我が国及び我が国を取り巻く世界情勢は、極めて困難な状況にあります。
約三年続いた武漢発新型コロナウイルスによるパンデミック、昨年2月からのロシア軍によるウクライナ侵略戦争、中華人民共和国による尖閣諸島付近の領海侵犯の常態化、北朝鮮により繰り返されるミサイルの発射等、また国内では安倍晋三元首相の暗殺事件、岸田文雄首相の暗殺未遂事件等、まるで地震大国日本を見透かしたかのように、我が国を震源とする政治的地殻変動が、周辺諸国を巻き込み、立て続けに起こっています。
我が国は、先の大戦で敗戦国となり、それまで営々として築き上げてきた優れた日本的価値観の多くを失いました。そこには古代から近代に至るまでの先人の努力がすべて籠められていました。
日本的価値観、日本人の誇りを失った日本人は、あたかも6年8ヶ月に及ぶ占領期間を戦後日本の母胎であるかのように錯覚し、占領軍の残した東京裁判史観、太平洋戦争史観を自らの価値の源泉として、そこから脱却しよう、本来の日本を取り戻そうとする日本人を貶め、南京大虐殺、従軍慰安婦などを捏造し、謝罪を繰り返してきました。
酒井前会長は、それを「虐日日本人」と呼び、そのような歴史観を「虐日史観」と呼びました。
日本人が自ら日本人を虐めているというのです。いったいいつまでこの「虐日史観」に縛られ、精神的奴隷状態を続けるつもりなのでしょうか。
明治の初め、我が先人達は、襲い来る西洋列強を前に、自らの独立を守るために、死を怖れることなく戦い続け、我が国を西洋列強に並ぶ大国に押し上げました。
既得権益を守ろうとする米英を中心とした連合国軍に敗れたとはいえ、先人達の比類なき愛国精神・戦闘精神があったからこそ、戦後再び我が国は世界有数の繁栄を取り戻すことができたのです。
酒井先生は、「虐日メディア」を相手に、本来の日本を取り戻すために孤立無援の戦いを続けてこられました。残念ながら病魔に冒され志半ばで永訣されましたが、その魂は、酒井先生が砦とされたこの川崎正論の会にいつまでも留まっています。
そして、私ども後進を叱咤激励し、神代以来の歴史を誇るこの美しい日本を守り抜くためのエールをあの世から送って下さっています。
今後とも、川崎正論の会に対するご支援、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。
昭和24年東京に生まれる。
駒場東邦中学高等学校から國學院大學文学部に入学、国文学を学び、大学院では神道学専攻科に在籍、神道学・宗教学を学ぶ。博士課程修了。
昭和50年駒場東邦中高等学校国語科教諭、平成23年3月教頭で退職。
現在、素行會(山鹿素行顕彰會)代表。みことのり普及の會副会長、東京都教師会会長、大阪国学院講師。